マインドフルネス??

マインドフルネスは、「今、この瞬間」にいる自分に意識的に100%の注意を向けること、考えや感情に押し流されず「今、この瞬間」にいる自分を良い悪いの判断することなく、ありのままに観察して受け止めることとされています。

各種宗教、特に禅やヨガでは、瞑想といった形でマインドフルネスをしていると思いますし、ボディーワークであるピラティスでも身体の感覚に意識を向けることで、マインドフルネス様のことはしています。

普段、私たちの考え(意識)はここではないどこかへ行ってることに気がついていると思います。人間は誰しも過去に囚われたり、未来への不安を抱えているため、私たちの意識は現在よりも過去・未来に行っています。

例えば、「明日の会議で失敗したらどうしよう」と起こってもいない未来に意識があったり、「どうしてあんな事をしてしまったのだろう」と変えられない過去を悔んだり、「こんなこともできない自分はダメな人間だ。」と落ち込んだり…、私たちの考えは、「今、この瞬間」ではないどこかへ行ってしまうことが多いです。

では、「今、この瞬間」の自分をありのまま受け止めるメリットはなんでしょうか?私の経験では、

  • 集中力向上
  • 心身の安定により心の余裕が生まれる
  • 自己理解や他者理解がよい人間関係に繋がる
  • ストレス対処能力の向上し肉体的・精神的に強くなる
  • 適切な自尊感情が生まれポジティブになる
  • 自分の困りごとを客観的に見れ、問題解決につながる行動や考え方ができる

があると感じています。このようにメリットが多いため、「今、この瞬間」に意識を集中することはピラティスだけでなく普段の生活においても大切であるとスタジオパタカでは日々お伝えしています。

簡単なトレーニング方法として、

【Teaエクササイズ】

お茶(飲み物ならなんでも良いが)を使います。まるでソムリエのようにお茶が入っているカップを手に取って、眺め、匂いを嗅ぎ、口の中に入れてゆっくりとかみ、味わい、飲み込み、喉を通り、胃に流れるまでを感じるというエクササイズです。たった一口のお茶を飲むという行動を細分化し、その行動をゆっくりと少しずつ進めながら、その時の身体感覚(五感)、考え、気分をありのままに感じ、描写します。

【ピラティスエクササイズ】

ピラティスでは、自然な呼吸を意識しながら、関節を曲げ伸ばし、筋肉が伸びたり縮んだりする感覚を味わいます。楽な姿勢で横になり、普段は意識していない体の様々な部分に意識的に注意を向けることにより、身体的な感覚をご自分で観察します。スキャナーで身体全身を内側も外側を含め三次元的にスキャンする感覚です。自然な呼吸を心がけながら、体の感覚、自分の頭に浮かぶ考え、感情を観察します。感情や考え、意識が過去や未来に振り回されそうになったら、呼吸や身体の感覚に意識を集中します。(例えば、呼吸は身体のどこに入っているか、どこが縮んでいるか、どこが硬いか、身体が触れているものの質感・温度・素材・色はどうか)落ち着いてきたら、また自己観察を続けましょう。応用として歩く動作に意識を集中する、立っている状態をありのままに味わうなどもあります。

注意点ですが、マインドフルネスは仏教の瞑想をベースにしていますが、宗教的なものではありません。また「無」になったり、現実逃避したり、スピリチュアルな体験をすることでもありません。マインドフルネスは、「今、この瞬間」にいる自分に注意を向けるための、脳のトレーニングと言えます。マインドフルネスにより、思考や感情に関係する脳の部位の血流が良くなり活性化するという研究結果があります。リラックスできたから「良い」瞑想、雑念がたくさん浮かんだから「悪い」瞑想、ということではありません。そのような状態をありのまま観察してみるトレーニングです。

スタジオパタカではマインドフルネスそのものは教えてはいませんが、それに似たようなことはマインドフルネスが流行前からピラティスの一部として行っています。マインドフルネス自体を目的とせず、しなやな身体を作るためには意識や思考も大事であるということでけでもお伝えしたかったことです。