「姿勢を良くしよう!」と背筋をピンと伸ばす。
でも数分後には、また元の姿勢に戻ってしまう——
そんな経験、ありませんか?
◆ 意識で作った姿勢は、長続きしない
「姿勢を正す」と言うと、多くの人が
・胸を張る
・背中を反らす
・アゴを引く
といった意識をします。
でも実際には、筋肉に無理な緊張が入ってしまい、逆に疲れることが多いんです。
なぜなら、「良い姿勢」と「自然な姿勢」は別物だから。
◆ 姿勢は“意識”で作るものじゃない。整うもの
人の姿勢は、足裏からの情報や、骨盤の角度、背骨の動きなど、
体の“奥”のバランスによって自然に決まります。
つまり、「いい姿勢」は、外から作るのではなく、内から生まれるもの。
姿勢が崩れる原因は、
背中ではなく、足元にあることがとても多いんです。
◆ 足元がズレていると、無意識に姿勢が崩れる
たとえば、足のアーチが崩れていたり、
足首が内に倒れていたりすると、
そのズレを補おうとして、骨盤が傾き、
結果として「猫背」や「反り腰」が生まれてしまいます。
だから、意識しても戻ってしまう姿勢には、
たいてい“足元の問題”が潜んでいるんです。
◆ 足が整うと、姿勢は勝手に変わる
足元のアライメント(骨の並び)や重心を整えると、
骨盤が立ち、背骨が伸び、
「頑張っていないのに自然に姿勢が良くなる」感覚が生まれます。
それはまるで、
「姿勢を直そうとする」のではなく、
「姿勢が勝手に戻っていく」ような体験。
これは、ピラティスやロルフィング、ソマティック療法でも共通して語られていることです。
◆ “姿勢”の前に見るべき場所。それは「足」
もしあなたが、
- 姿勢を良くしようとしてもすぐ疲れる
- 姿勢改善グッズを使っても変わらない
- なんだか呼吸が浅い、肩に力が入る
そんな悩みを感じているなら、
「姿勢を直す」のをやめて、
まず「足」を見直してみてください。
体は、下から整えてあげるほうが、自然でラクなんです。
【参考・引用文献】
- Feldenkrais, M.(1972)Awareness Through Movement(邦訳:『動きのなかの気づき』)
- Ida Rolf(1977)Rolfing: Reestablishing the Natural Alignment and Structural Integration of the Human Body for Vitality and Well-Being
- 津田啓一(2015)『足の構造から姿勢を変える整体』BABジャパン
- 高田一也(2019)『姿勢の教科書』かんき出版