神経心理ピラミッド

神経心理ピラミッドとは、ニューヨーク大学医療センター・ラスク研究所が発表している、
認知機能には階層性があるという考えです。

具体的にどのような階層性になっているのか、簡単に、低次の認知機能からあげていくと、

覚醒
 ↓
抑制,発動性
 ↓
注意力,集中力
 ↓
・コミュニケーション、情報処理能力
 ↓
記憶力
 ↓
遂行機能

 

・受容

 

・自己同一性

とこんな感じになります。

神経心理ピラミッドですが、模式図が一部改変された2008年9月以降に使われているモデルでは、

1番下は神経疲労、一番上は「自己の気づき」でした。現在では、1番下はリハビリテーションへの意欲、最上位は「自己同一性 Ego Identity」「受容 Acceptance」となりその他の項目にも微細な変更があります。

なぜ変更になったかですが、リハビリテーションでは、なにかしら受傷した人が対象になります。つまり、病気やケガになり「自己の変容や制限を受け入れた」うえで、「それでも以前と同じように自分を好きでいられる」、あるいは「新しい自分を自分として認められる」といった自己同一性を確立することを神経心理ピラミッドの頂点としていると考えます。

大きな病気やケガがないとしたら、一般の人には、神経疲労が1番最下位の認知機能で、「自己への気づき」は、最上位の認知機能と言えます。

したがって、自分の普段の感情や思考,行動に気づく、認知するには、神経心理ピラミッドという考え方からいくとかなり高次な認知機能で難しいことでもあり,それができることがマインドフルネスといえる状態?またはマインドフルネスによって促せられるとスタジオパタカでは捉えています。

自己に向き合う=気付く、認知するには、階層性を考えると、低次レベルの覚醒抑制,発動性が安定しないといけません。特に、一階層目の「神経疲労がない状態、「神経がリラックスしている状態」でいないと、上位の認知機能がうまく働かきません。スタジオパタカにお越しになる多くの方を担当することで、神経の土台、体からアプローチすることで、無駄なくスムーズにサポートができることを経験しています。

脳の機能を無意識のうちに低下させる「神経疲労」

私たちは頑張って運動すると、肉体的にとても疲れます。それは分かりやすいのですが、実は脳(精神)も同様に使い過ぎると疲労してしまうのです。このことを「神経疲労」(易疲労性、精神疲労)といいます。

神経疲労は、肉体の疲労と違ってわかりにくいものです。神経疲労を起こしていることに気づく症状やサインには下記のようなものがあります。

・ 日中の頻回なあくび

・ 仕事が遅い、動きが遅い

・決断、判断が鈍い

・ 眼前に霧がかかっているように感じる

・目がかすむ

・ 頭を使う(文章を読むなど)と疲れる など

あなたも仕事や家事などを頑張っていて、このような症状やサインを起こすことがあるのではないでしょうか? 神経疲労の特徴的な症状とは言えないため、気づかないうちに神経疲労を起こしているかもしれません。

神経疲労は、脳に必要な酸素供給などが足りなくなって起きるようです。また、日常生活の中で姿勢保持、動作、不安や緊張、感覚の課題などでエネルギーを消耗してしまう状態が続けば「家事や仕事のためのエネルギー」が不足してしまいます。そして、エネルギーの補充方法を学習しないと、毎日がしんどく、能力を発揮できないまま、または能力が低下しつつ年を重ねてしまいます。

そんな中で無理をして脳を使い続けることは、クタクタになって動かない身体に鞭を打つようなものです。作業をするにしても、効率が悪いし、ミスも多くなってしまうはずでストレスも溜まりやすいと言えます。

この状態は自律神経が自己調整できる状態でなく、戦う、逃げる、または体や思考が停止して気力もわかないモードになっていることを意味します。今の環境から逃げ出す、仕事中寝落ちしてしまう、朝起きられないのは、意志の弱さでなく自律神経が働きにくいからです。

スタジオパタカでは、そのような方に、自分の体の状態、自律神経の状態を身体感覚としてつかみ、脳に自分の体のイメージ、動かし方、力の抜き方を学習させます。そうすることで、神経疲労の改善を促し、脳の機能を高め、自己に向き合う時間を提供します。