歩くたびに疲れる理由は、“かかとの角度”だった

「そんなに歩いてないのに、なんでこんなに疲れるんだろう?」
そう感じたこと、ありませんか?

靴はちゃんと履いてるし、運動不足でもない。
だけど、なぜか“歩くだけで”疲れてしまう。

——実はその理由、「かかとの角度」にあるかもしれません。


◆ 足は“土台”。でも注目されにくい「かかとの傾き」

私たちの体は、ビルで言えば“足”が基礎部分。
その中でも「かかと」は、体重を一番最初に受け止める場所です。

正常な状態では、かかとはまっすぐ地面についています。
でも、外側に傾いたり、内側に倒れたりすると——

  • 脚の筋肉にかかる負担がアンバランスに
  • 骨盤が傾く
  • 背骨や首のバランスまで崩れる

その結果、全身に“余計な力”が入り続ける状態になり、
歩くたびに体が無駄に疲れてしまうんです。


◆ 疲労の正体は「バランスを保つためのがんばり」

足の構造は精密で、片足に26個の骨・33の関節があります。
この繊細な構造がちょっと傾くだけで、
全身が「なんとかバランスを取ろう!」と頑張ってしまう。

その「頑張り疲れ」が、
歩くたびに感じる重だるさや、下半身の疲れの正体かもしれません。


◆ チェックしてみよう!自分の「かかとの角度」

  1. 鏡の前に立つ
  2. かかとが左右で内側or外側に倒れていないかを見る
  3. 靴底のすり減り方をチェック(片方だけすり減っていない?)

もし明らかに傾きがあるなら、
その「クセ」を修正してあげるだけで、
歩くのが軽くなることがあります。


◆ まとめ:「かかと」から整えると、疲れない体になる

疲れやすさ=年齢や筋力だけの問題ではありません。
日常の小さな“傾き”が、じわじわと不調を招いていることも。

「かかとの角度」なんて、普段は気にしないかもしれません。
でも、そこにこそ “無意識のズレ”が出ているんです。

もし最近、歩くとすぐ疲れる、立っているだけでだるい——
そんな感覚があるなら、
まずは足元から、見直してみてはいかがでしょうか。


【参考・引用文献】

  • 藤原靖(2013)『足の機能と足底板療法』医道の日本社
  • Nigg, B.M., & Emery, C. (2006). “Biomechanical factors associated with the development of running injuries.” Sports Medicine
  • 森本貴義・岡本良訓(2015)「かかとの傾きと全身バランスの関係に関する研究」理学療法科学