インソールを変えたら、体の感覚が静かになった

「なんか、体の“ノイズ”が減った気がする——」

これは、ある日インソールを変えてみた私が感じた、正直な感想です。


◆ 体の中の“ガチャガチャ感”が消えるとき

肩こり、腰の重さ、呼吸の浅さ。
いろんな不調を抱えながら、日々を過ごしていたある日。

知人のすすめで、ちゃんと足に合ったインソールに変えてみたら、
不思議と「体の中が静か」になった感じがしたんです。

音ではなく、“感覚のノイズ”が消えたような静けさ。
立っているとき、座っているとき、体の緊張がふっと抜けて、
何もしなくてもラクになっている感じ。


◆ 足裏からの“フィードバック”が変わると、脳が落ち着く

足の裏には、たくさんの**センサー(機械受容器)**があります。
私たちは無意識に、地面の硬さや傾きを感知して、
その情報を脳に送りながら姿勢を保っています。

この“センサー”に過剰な刺激やズレがあると、
脳はずっと「体勢を立て直さなきゃ!」と指令を出し続ける。

その結果、交感神経が過敏になり、
体も心も“落ち着かないモード”に入ってしまうんです。

インソールは、足裏の情報を調整する翻訳機のような存在。
自分に合ったものを使うと、
脳に届く情報が穏やかになって、自然と体が落ち着いてきます。


◆ 「疲れが取れない」の裏にある足裏のストレス

なんとなく疲れやすい、リラックスしにくい、
いつもどこかがこわばっている。

そんなとき、つい食事やストレッチに意識が向きがちですが、
実は足裏の感覚の過敏さやズレが、
交感神経のスイッチを押し続けているケースもあります。

特に、サイズが合っていない靴や、
柔らかすぎるインソールは、センサーの狂いを起こしやすく、
結果として「疲れやすい体」をつくってしまうんです。


◆ 本当に体に合ったインソールは「気にならない」もの

本当に良いインソールは、
「ラクになった!」というよりも、
「存在を忘れる」ものかもしれません。

履いていて気にならない。
体のどこもがんばっていない。
気づいたら、深く呼吸できている。

そんな“静かな感覚”こそ、
足元から整っている証なのかもしれません。


【参考・引用文献】

  • Nigg, B.M., et al. (2000). “The role of impact forces and foot pronation: a new paradigm.” Clinical Biomechanics
  • Perry, J., & Burnfield, J.M. (2010). Gait Analysis: Normal and Pathological Function. SLACK Incorporated
  • 星加清豪(2016)『足部バイオメカニクスに基づく足底板療法』理学療法科学
  • 宮武和広(2020)『足裏から脳を整えるインソールの秘密』幻冬舎