長時間イスに座って仕事をしていると、
なんだか気持ちが落ち着かない、呼吸が浅くなる、イライラしやすい——
そんな経験、ありませんか?
その正体は「足首のロック」かもしれません。
◆ 足首が固まると、体全体が“止まる”
イスに長く座っていると、
足首はほとんど動かない状態で固定されがちです。
この**足首の“動かなさ”**が、
体にじわじわと負担をかけていきます。
なぜなら、足首は歩行だけでなく、
- 骨盤の傾き
- 呼吸筋の動き
- 血流やリンパの流れ
などにも影響を与える“スイッチ”のような関節だからです。
◆ 足首と自律神経の関係
足首が固まって動きがなくなると、
脚全体の筋ポンプ機能が低下し、血液循環が滞りやすくなります。
その結果、交感神経が優位になりやすく、
呼吸も浅くなって“緊張モード”から抜けられなくなる。
つまり、足首の可動域の低下が、自律神経の乱れに直結しているんです。
◆ 固まった足首がもたらす悪循環
- 足首が動かない
↓ - 骨盤が後傾し、猫背に
↓ - 呼吸が浅くなり、自律神経が乱れる
↓ - 集中力・代謝・メンタル低下
↓ - さらに動かなくなり、冷え・むくみ・慢性疲労…
こうして、「座りっぱなし」→「なんとなく不調」のスパイラルが完成してしまいます。
◆ 今日からできる!足首リセット習慣
・つま先立ち→かかと上げ下げを10回
・足首をゆっくりぐるぐる回す(内回し・外回し)
・正座をして、足首をストレッチ(痛みのない範囲で)
この3つを1日2回、1分ずつでOK。
足首がほぐれてくると、体全体が“呼吸しやすく”なるのを感じるはずです。
◆ 足首は、心の“クッション”でもある
東洋医学では、足首まわりは「腎」の経絡が通る場所で、
恐れや不安、生命力の状態を表すとされます。
足首が柔らかい人は、心も柔軟で、ストレスへの耐性も強い。
逆に固まっていると、ちょっとしたことで疲れやすくなります。
心が揺れるときこそ、まずは足首をやさしく動かすことから始めてみませんか?
【参考・引用文献】
- 宮田俊男(2017)『足首まわしで自律神経が整う』かんき出版
- Yamamoto, T. et al. (2012). “Ankle joint stiffness and autonomic nervous activity in sedentary workers.” Journal of Human Ergology
- 大川泰(2018)『東洋医学で読み解く“足首と腎”の関係』医道の日本
- 坂詰真二(2020)『座りすぎをやめれば不調は治る!』主婦の友社